海女の暮らし
今日は、私が海女漁をしている時の1日をご紹介します。
海女の朝
まず、朝起きたら、娘のご飯を作って、ペットのお世話をして、お掃除をしたら、
7時過ぎぐらいから、海を見にいきます。
自分の集落内の海岸が、自分の漁場です。他の集落の海岸には潜りに行けない決まりです。
自分の集落内の海岸がいくつかあるのですが、それぞれ、南むきの場所から、東向き、次東から北に少し傾いている海岸まで、少しずつ向きが違って、波の大きさ、潮の流れ、風向きなどが少しずつ違うので、それを一箇所づつ確認していきます。
海士仲間という団体に所属しているので、今年のリーダが、海の状況や、天気予報に基づいて、今日の漁に出るかどうかを決めます。
休みの時は赤い旗が港に建てられるとその日の漁は休みになるので、海岸を見に行った後、そこをチェックして、うちに帰ります。
行く日は、すぐに犬のさんぽに行って、漁の準備をします。
行かない日は、急がなくていいので、ゆっくり散歩に出かけます。
海女の準備
寒い日は、火を焚いて、汗をかく位体を温めてから、漁に出ます。
初めの2年は年配のおばさん達の海女小屋に入れてもらって、連れて行って貰っていたので、
海女小屋で、海女の先輩ばあの旦那さん特製のボイラーを改造したカマドに薪をガンガンに焚いて、体を温めて、熱々にして、
そこでウエットスーツに着替えて、みんなで歩いて、近い浜まで行って、潜っていました。
その後、小さな船を貰って、一人で行くようになり、自分で海女小屋を借りて、そこに置いてあった薪ストーブをガンガンに焚いたり、
隣の小屋の先輩の石油ストーブにあたらせて貰ったりしながら、温まってました。
去年からは、お家に薪ストーブをつけたので、お家で、薪ストーブをガンガンに焚いて、温まっています。4月、5月くらいまでは、寒いし、雪解け水が流れてくる関係で、水温がとても冷たく、薪が欠かせません。
そこから、ウエットスーツに着替えて、冬はあったかい飲み物、お茶とお味噌汁を保温容器に入れて持っていきます。
出航
9時半に港に停めている小さい船(弁天丸)で出航します。
船で、いきたい漁場にイカリを落として、船を停めて、そこから潜ります。
装備
ウエットスーツ上下分かれているものを使っています。
膝は、潮流が早い時に膝で体を支えて潜ったりすることもあるので、サポーターをつけます。岩場に膝をつけるとすぐにウエットスーツが破れてしまうので。
腰は鉛で作ったオモリを10kg〜14kgつけています。ウエットスーツの厚みや、インナーの厚みによって重さを変えています。
足はダイビングビーツに足ひれを履いています。
手袋も必需品です。岩場にある鮑やサザエを摂るのに怪我しないようにと、手が冷たいと作業ができなくなります。
防水の腕時計も持っていきます。潜り時間も3時間ぐらいで仲間のルールがあります。それを違反すると休業しないといけなくなります。
水揚げ
時間になったら船に上がって、錨を引き上げて、港に行き、取った回などを、港で重さを測って、競りにかけてもらいます。
その後、船を停めているところまで戻って、船の上を片付けて、帰ってら、お風呂に入って体を温めます。
海女小屋に居た時は、そこで着替えて、また薪を焚いて、体を温めてからうちに帰っていました。そこで、ご飯を食べたり、カマドで、おかずに取ってきた貝やウニを焼いて食べて、先輩達と話したり、昼寝したり、寒い時だと2時間くらいいる時もありました。楽しい時間です。
こんな感じで多い時で年間100日程度潜ります。
今は、磯枯れと言って今まであった海藻が枯れてしまう自然の現象が起きてしまっていて、鮑などの貝が全然取れなくなってしまいました。
台風や、春の長雨も多く、全然潜れていませんが、また楽しい時が来ることを願っています。
ひじきもかなり減っていますが、良いひじきがまだ今年はとれました。